おいしさ

おいしさ

しょうゆができるまでの過程や
効用、歴史などの紹介になります。

料理をひきたてる3つの要素

しょうゆは色・味・香り、3つの要素から成り立つ調味料です。主原料である大豆のたんぱく質と小麦のでんぷんが発酵・熟成し、さまざまな味の成分、色や香りの成分に生まれ変わります。非常に多くの成分が含まれながら、味や香りのバランスが崩れないのは、これらが単に混ざり合っているだけではなく、長い熟成期間中、互いに作用し合って、絶妙な調和がとれているためです。無数の要因が絡み合って自然に生まれる、しょうゆの色・味・香り。繊細で複雑なその魅力が、さまざまな料理のおいしさをひきたてます。


色 … 食欲をそそる美しい色

しょうゆの色は、種類の区別にも重要です。例えば、こいくちしょうゆは、透明感のある鮮やかな赤橙色、素材に食欲をそそる美しい色をつけます。うすくちしょうゆは黄色みを含んだ淡い赤橙色、素材の色合いを大切に生かします。種類によって異なるこうしたしょうゆの色は、主に小麦から生まれるブドウ糖と、大豆のたんぱく質からつくられるアミノ酸が熟成中に反応してできるメラノイジンという物質によるものです。

味 … 五原味が出す奥深い味

<甘味>しょうゆの甘味は、小麦のでんぷんが醸造中にブドウ糖に変化して生まれます。全体の味をやわらかくし、丸みを持たせる働きがあります。口に含むと、舌の先にこの甘味をほのかに感じます。

<酸味>しょうゆの酸味は、乳酸菌の働きによってブドウ糖が変化して生まれます。こうして造られた有機酸類は、塩味を和らげ、味をひきしめる働きをしています。

<塩味>しょうゆの塩分は、こいくちしょうゆで15~17%。海水の約5〜6倍にもあたりますが、それほど塩辛く感じないのは、その他の成分が塩味を和らげ、深みのある味をつくりだしているからです。

<苦味>苦味成分もしょうゆの中には数種類含まれています。苦味を直接感じることはありませんが、「コク」を与える隠し味的存在として、しょうゆの味をすっきりとひきしめています。

<うま味>しょうゆのうま味は、大豆と小麦に含まれるたんぱく質が、麹菌の酵素で分解され、約20種類のアミノ酸に変化して生まれます。中でもグルタミン酸は、しょうゆのうま味の主役です。

香 … 香りの成分は約300種類

しょうゆの香りは非常に複雑で、麹菌、酵母、乳酸菌などの微生物の働きによって生まれます。本醸造しょうゆに含まれる香りの成分は、りんごやバラやバニラなど、現在発見されているものだけでも約300種類。特定の香りが目立ちすぎることなく、全体に調和してしょうゆの独特な香りをつくりだしています。魚介類や肉類の生臭さを消すスパイスの働きを持ち、加熱すると芳ばしい香りが生まれます。

先頭に戻る