第1回醤油名匠

ある郷土料理に基づき、その土地ならではの旬の素材を使い、新しいアイデアで作られた料理。干し鱈を砂糖、みりん、そして淡口、濃口しょうゆでしっかりと煮て、鱈の旨味を引き出す。複数のしょうゆを使い分け、現代にあった味付けにアレンジした創造的な手法を用いている。

元の食材を地元のしょうゆで料理することをモットーに、有明海固有の海の幸を郷土料理に仕上げている。表面を軽く焼いたムツゴロウを入れてしっかりと煮込む煮付けやワケノシンノスのしょうゆ煮は、しょうゆを使った一般的なものだが、他の追随を許さない料理へと仕上げる技は匠ならではのものとなっている。

地域の食材を工夫して、地域の人々に喜ばれる料理を。そんな料理作りに対する姿勢が評価された。代表的な料理は、渓流でとれた鮎を油で揚げ、そうめんを茹で、餅を焼き、うすくちしょうゆとこいくちしょうゆ、そしてさきイカやホタテを漬け込んだたまりしょうゆを混ぜてつくった麺の出し汁つゆで食すというもの。

玄海灘の荒波にもまれた天然の活魚の味を生かした、とんさんなますをはじめとする一連の日本料理が得意。新鮮な魚を使うことで、余分な調味料を使わずに、こいくちしょうゆ、うすくちしょうゆ、刺身しょうゆ、さいしこみしょうゆ、そして甘口のしょうゆを使い分け、しょうゆの調味料としての可能性を追求。