「醤油名匠」決定
しょうゆ情報センター企画で全国から「醤油遣いの匠」を選び顕彰する制度の第1回目に当たる「和食部門」の名匠が「醤油の日」の10月1日に発表されました。
これは各県の醤油工業協同組合や醤油企業の推薦を受けた全国45名の料理人、個人の日常活動の中で、しょうゆに拘り、オリジナリテイや新しい創意工夫がなされていることをポイントに選考されました。 各組合や、企業の推薦を受けた“料理人”の中から第一次選考会が食のジャーナリストにより15名の「醤油遣いの匠」が選考され、最終審査会が行われました。
審査委員は道場 六三郎(料理の鉄人)、田崎 真也(世界一のソムリエ)、木村 尚三郎(東大名誉教授)の3氏にお願いしました。 最終結果は「醤油の日」の集いの会場で発表されました。その中から次の方々が受賞されました。
● 大賞 朝倉輝良様 「上杉伯爵邸」総料理長(山形県米沢市)0238-21-5121
● 審査員特別賞 阿久根芳子様 「旅館阿久根」女将(福岡県柳川市)0944-72-2483
● 審査員特別賞 磐本隆次様 旅館「錦江閣」社長(東京都あきる野市)0245-96-1126
● 審査員特別賞 立花研一郎様 「水野旅館」社長(佐賀県唐津市)0955-72-6201
~受賞者の評価概要~
■大賞 朝倉 輝良さん(上杉伯爵邸) 200年前、米沢藩主・上杉鷹山が領民を飢餓から救うために考え出した食の手引き書「かてもの」(主食に混ぜて炊くものの意)に基づいた郷土料理を積極的に紹介している姿勢、土地の旬の素材と伝統の食材を組み合わせ、調味料である複数のしょうゆを使い分け、現代の味付けにアレンジしている創造的な手法などが評価された。
■審査員特別賞 阿久根 芳子さん(旅館阿久根) ご主人と二人で旅館を営む。地元の調味料で料理することをモットーに、有明海固有の海の幸を独自の郷土料理に仕立てる。うすくちしょうゆで味付けした出汁に、表面を軽く焼いたムツゴロウを入れてしっかりと煮込む「ムツゴロウの煮付け」、独特な食感の珍味「ワケノシンノス(イソギンチャク)のしょうゆ煮」など、しょうゆを使った料理は絶品である。
■審査員特別賞 磐本 隆次さん(旅館「錦江閣」) 地域の食材を工夫して地域の人に喜ばれる料理に取り組む姿勢が評価された。季節料理のひとつだが、渓流でとれた鮎を油で揚げ、そうめんを茹で、、餅を焼き、うすくちしょうゆとこいくちしょうゆを混ぜて造った麺の出汁つゆで食す。また、川魚料理の甘露も好評であつた。
■審査員特別賞 立花 研一郎さん(水野旅館) 玄海灘の荒波にもまれた天然の活魚の味を活かした“とんさんなます”をはじめとする一連の日本料理。とくに、新鮮なキンゾウ烏賊の沖漬け、ニンニクのしょうゆ漬けを開発した。天然の素材をいかすために、こいくちしょうゆ、うすくちしょうゆ、さしみしょうゆ、さいしこみしょうゆ、甘めのしょうゆを使い分け、しょうゆの調味料としての可能性を追求し続けていること等が評価された。